原料、酵母、酒質の決定、製造すべてが大学オリジナル

2006年に、酵母菌を研究している農学部の加藤教授から、大学オリジナル清酒製造の提案がありました。この提案をきっかけに、地域貢献事業の一環として、県内の酒造メーカーと連携し、清酒を製造することとなりました。
原料の米には、佐賀大学農学部附属アグリ創生教育研究センターで収穫したヒノヒカリを使用し、酵母には、農学部で独自に生成した清酒酵母を使用しています。酒質(味、香りなど)の決定から、麹造り、仕込みなどのすべての工程において、農学部応用微生物学研究室の学生が参加し、時期によっては、泊まり込みでの作業を行うこともあります。

『悠々知酔』は、「悠々と酒を飲みながら知の探求に酔い、桃源郷のような雲の上でゆっくりのんびり飲む姿」をイメージしています。
2年ごとに酒造メーカーが代わるため、それぞれ味の違いを楽しめますが、華やかでフルーティ、そして飲みやすいという特徴は共通しており、ご購入の方からは高い評価をいただいています。
また、悠々知酔は「佐賀県原産地呼称管理制度」のもと、佐賀県産原料を100%使用し、佐賀県内で製造されることだけでなく、味や香りなど品質の面でも厳しく審査された『The SAGA認定酒』に認定されました。
地域貢献に向けて
近年は、日本酒の消費量が低迷傾向にあり、各酒造メーカーも様々な取組を行っています。このような状況下、メーカーとの連携により、アルコール度数を低くしても独特のにおいが生じない日本酒造りに、本学で研究していたピルビン酸を吸収する酵母を利用することとなり、全く新しい技術による日本酒が誕生しました。
このように、本学の研究成果とのマッチングや学生が学習の一環として地域連携に関わることにより、互いのメリットを共有できる産学連携の取組は、今後益々拡大していく方向にあります。
製造委託した佐賀県内の酒造
「悠々知酔」製造蔵元
平成19年・20年 窓乃梅酒造(佐賀市)
平成21年・22年 大和酒造(佐賀市)
平成23年・24年 天山酒造(小城市)
平成25年・26年 天吹酒造(三養基郡)
平成27年・28年 東鶴酒造(多久市)
平成29年・30年 矢野酒造(鹿島市)
令和元年~4年 基山商店(基山町)
令和5年・6年 天山酒造(小城市)
令和7年~ 東鶴酒造(多久市)