URAは、本学の研究戦略を立案する役割を担っています。
国家戦略、地域・企業のニーズ、地域連携ネットワーク、学内のシーズ・リソースなどの情報を把握・分析し、SDGsの目標とも関連する下記の6つを重点領域として設定しました。

この研究戦略は、プロジェクト型研究の創出を目指すとともに、施設の有効利用や新設、新しいネットワークとの連携を模索しながら、更新していきます。皆様からの情報・ご意見をお待ちしています。

佐賀大学研究戦略マップ(2024年4月現在)

各領域の詳細につきましては、下記のページ内リンクをクリックしてご覧ください。

01.地域の文化・教育を支える領域

佐賀大学には国立大学2例目となる美術館が設置されており、佐賀県や佐賀大学に所縁のある作家の作品展示や地域の団体等が主催する企画展などを開催しています。また、芸術地域デザイン学部には、芸術表現コースと地域デザインコースがあり、美術・工芸、有田セラミックス、地域コンテンツデザイン、キュレーション、フィールドデザインの5分野において多彩な研究を行っています。

さらに、地域学歴史文化研究センターでは、佐賀の地域的特性について、歴史や文化研究からアプローチし、県内での企画展や研究成果発表などを通じて研究成果を地域に還元しています。その他にも、多くの研究プロジェクトに取り組んでおり、地域の文化・教育を多角的に支えています。

学内シーズ
発達障害教育/スポーツ選手支援技術/地域歴史学/eラーニング/美術、音楽

02.低コスト型インフラ整備領域

佐賀県内の再生可能エネルギー関連産業の創出を加速させるために設立された「再生可能エネルギー等イノベーション共創プラットフォーム」には、本領域に関連する「太陽光発電」「遠隔監視」「未利用熱利用空調システム」「建築等のビッグデータ利活用」を含む15の研究分科会が設置されています。具体的には、使用済み太陽電池モジュールを有効利用する事業モデルの検討や小規模プラントへの低コスト遠隔監視システムの標準化の調査・研究などに取り組んでいます。

また、佐賀大学SDGsプロジェクト研究所の「在来知歴史学研究プロジェクト」や「災害関連死をゼロにする地域連携プロジェクト」「アジア協創研究プロジェクト」では、各国独自の知識・技術・知恵の歴史的探究、地域防災力の向上、多文化共生型社会の実現などを目的に研究を進めています。

再生可能エネルギー等イノベーション共創プラットフォーム
(Co-creative Innovation platform for Renewable Energy:CIREn(セイレン))

オープンイノベーションを基軸に様々な分野の英知を結集させ、再生可能エネルギー等の研究開発や市場開拓を進めることで、県内の関連産業創出を加速させることを目的に設立したプラットフォーム。CIREn(セイレン)という名称は、幕末に佐賀藩が設置した日本最先端の科学技術研究所「精煉方(せいれんかた)」に由来し、本プラットフォームが令和の「精煉方」となるよう活動しています。
※令和6年度研究分科会の15分科会中、低コスト型インフラ整備領域関連は、「太陽光発電」「遠隔監視」「未利用熱利用空調システム」「建築等のビッグデータ利活用」の4つ。

学内シーズ
ドローン利用遠隔監視/リモートセンシング/劣化診断技術(安全・安心の構築)/軟弱地盤改良施工技術/クリークのり面施工技術

03.持続可能なエネルギー・有価物の生産領域

佐賀大学は海洋エネルギーに関する研究・教育の国際的中核研究拠点「海洋エネルギー研究所」を有し、海洋温度差発電や波力発電などの持続可能なエネルギーに関する研究を進めています。また、佐賀市との開発協定に基づく藻類研究拠点「さが藻類産業研究開発センター」を設置。農・理工・医学部の研究者による微細藻類研究グループ「μAB project(マイクロ・エービー・プロジェクト)」において微細藻類の多様な可能性を探求しています。さらに半導体結晶作製技術と放射光(シンクロトロン)技術を基盤に、ダイヤモンドなどのウルトラワイドバンドギャップ半導体やパワー半導体デバイスの学際的研究を推進。これらの取り組みにより、持続可能なエネルギーと有価物の生産において、先進的かつ多角的な研究を実施し、地域社会とも連携しながら未来のエネルギー問題解決を目指しています。

学内シーズ
海洋温度差発電/波力発電/海上風力発電/地中熱利用技術/バイオマス抽出技術/CO2利用による有価物生産技

04.健康長寿社会貢献領域

佐賀大学SDGsプロジェクト研究所の「医療教育デジタルトランスフォーメーション開発プロジェクト」や「災害関連死をゼロにする地域連携プロジェクト」においては、医学部を中心に医療教育DXの開発、地域防災力の向上などをテーマに取り組みを推進しています。また、バイオ3Dプリンターを用いた再生医療研究、企業と連携した抗菌性人工関節の開発、医学部附属病院肝疾患センターにおいては、肥満や糖尿病などの生活習慣病が原因となる肝臓がんの予防と治療に力を入れています。農学部においては高オレイン酸ダイズの開発やキクイモの研究、藻類由来の健康食品の開発など機能性食品の開発に関する研究が行われており、健康長寿社会の実現に貢献しています。令和8年4月には国立大学発のコスメティックサイエンス学環の開設が予定されています。

学内シーズ
3D積層再生医療/人工関節/生活習慣病予防(糖尿病等)/機能性食品開発(アグリ医療、機能性作物工場、6次産業化)/微細藻類利用化研究

05.地域産業を支える領域

佐賀大学シンクロトロン光応用研究センターや肥前セラミック研究センター、さが藻類産業研究開発センターなどでは、地域産業の発展に密接に結びついた研究を推進しています。また、佐賀大学SDGsプロジェクト研究所に設置された、「在来地歴史学研究プロジェクト」や「ICTまちづくりデザインプロジェクト」、「浅海域・干潟協働研究プロジェクト(有明海利活用創成)」においても地域と連携した多彩な取り組みを数多く行っています。これら最先端の学術研究を通じた人材育成、総合大学の強みを活かした文理融合研究による窯業分野の研究、気候変動に対応する有明海利活用などの取り組みにより、地域産業の発展と持続可能な社会の実現に寄与します。

佐賀地域経済研究会
佐賀地域経済研究会は、1989年に地域経済問題の情報交換と研究を目的に発足し、現在、県内10市や九州経済連合会、佐賀大学など12の団体会員と個人会員で構成。2019年度までの「地域課題調査」は、2020年度から「地域課題討議」に改められ、地方自治体や経済団体、大学が協力して地域課題を議論しています。

学内シーズ
ドローン利用農業・水産業(IT農・水産業)/新しいセラミック開発/ビジネス関連のデザイン力(意匠等)/地域経済研究によるビジネスプラン/用途指向型有田焼創出

06.環境改善領域(有明海等環境改善技術)

低平地研究会は企業、行政、大学が連携し、5つの専門部会と低平地防災特別部会を設置しています。本研究会では、東日本大震災や北部九州豪雨、令和元年佐賀豪雨など相次ぐ低平地の災害に対応し、自然災害や低平地を軸とする地域課題の解決に取り組んでいます。また、佐賀大学SDGsプロジェクト研究所「浅海域・干潟協働研究プロジェクト(有明海利活用創成)」では、気候変動に対応できる生態系や利活用をテーマに研究を進め、積極的に地域に研究成果を還元しています。これらの取り組みを通じて、有明海などの環境を改善する技術開発、有明海をフィールドとした教育、地域ニーズの発掘などを行い地域の環境改善に貢献しています。

学内シーズ
有明海内湾水質浄化/有明海生物資源回復技術/魚病抑制技術

本学の研究戦略に関するお問い合わせ窓口

担当窓口

リージョナル・イノベーションセンター URAチーム
〒840-8502 佐賀市本庄町1番地
TEL. 0952-28-8961
E-Mail:suric★ml.cc.saga-u.ac.jp(★を@に変換してください)