ご出身はどちらですか?

福岡市になります。父の転勤で、小学校中学校では、九州内の大分とか熊本とかをいろいろ行って、中学校三年のときに福岡に戻ってからはずっと福岡です。
この道の先生になろうと思ったキッカケについてお聞かせください。

大学の時、仲良かった友達とセラミックスの研究室行こうかみたいな話になって、それからこの道に入りました。
そして、大学院で就活するとき、いざ本当に会社を選んだり、就職先を考えるときに、私自身はそんなに人としゃべったりするのは得意な方では全然ないので、営業職とかはとてもイメージができなかったので、何か考える仕事をしたいなと思って、研究者の道を選びました。
最初は宮崎大学に赴任しました。非常によかったことが、そこの教授の先生がとってもユニークな方で、オリジナリティーやアイデアを非常に大切にされている先生で、今にして思えば、私はその先生から本当にいろんな研究のやり方だとか面白さとかっていうのは教えてもらったのかなと思ってます。そこから、佐賀大学に赴任して今に至ります。
研究についてお聞かせください。

セラミックスをナノメートルサイズからマイクロメートル、ミリメートル、センチメートルといった非常に幅広いレンジで、構造を制御することで、新しいセラミックスを作るといったような研究をやっています。
例えば、昔の古い建物なんかで煉瓦なんかを作るときに藁とか入ったものがあってそれで強度を上げるということがあったと思うんですが、それと同じように陶磁器の中にセラミックスの繊維を入れて縮まなくて強い陶磁器を作っています。セラミックスの繊維なんかはフワフワしてて、綿みたいなんですが、一番薄いのだと2ナノメートルくらい、本当に原子・分子に近いくらいの細いものも作れます。ナノレベルでセラミックスと有機分子を並べていってきれいな緑色に光る材料を開発したりしてました。自己組織化っていって、原料を混ぜて、うまく条件を整えてあげる。例えば、温度や原料比だったり、成分の電価の+-の関係をうまくしてあげると、こういった成分が水溶液の中でうまく自動的に組みあがっていって、いろいろな複雑な構造や形が形成されるんです。繊維状だけでなく、チューブ状のものが出来たり、ハチの巣状のものをつくったりしてました。こういう工程で美しい形ができたら嬉しいですね。研究の中で今までにない構造物ができたりだとか、世界と競争できるような数値が出てきたりすると楽しいです。
学生に教えている授業内容についてお聞かせください。

セラミックスに関する基礎から応用まで教えてます。例えば、どんな原子やイオンから構成されて、それがどういう骨組みからなってるのかなどですね。また、そういったことが、セラミックスの性質にどんな影響を及ぼすのかなどを教えています。
学生に向けて一言いただけますか?

20代って何でもできる年齢ですので、いろんなことにもチャレンジしてほしいですね。やれることは悔いなくやってほしい。歳をとればやりたいことできなくなりますからね(笑)やりたいことができるのは20代の若い間だけだと思いますからね。いろんなことをトライして経験してほしいですね。
今後の目標をお聞かせください。

早く落ち着いた環境を整えて、研究をしたいです。
県下の企業・自治体・学校の中で何かやるとしたらどんなことをやりたいですか?

共同研究でなにか新しいものを作るようなことが一緒にできたらと思います。
「ものを作る」ところが私の研究室はたぶん得意なんだと思うんですけど、それをうまく活かせるようなニーズであったり、相手先があれば、うまくマッチングするのかなあと思います。
肥前セラミック研究センターのご紹介をお願いします。

肥前セラミック研究センターでは、肥前陶磁の“伝統技術・工芸”とファインセラミックスの“先端技術”要素を組み合わせた素材開発や、焼き物の表現活動、プロダクトデザイン研究開発を行い、人材育成及び地域活性化に貢献していこうと思ってます。
また、私自身も、セラミックスの専門としているからには、そこに関連するような仕事をやり遂げるっていうのが大学の中でミッションだと思いますので、それをこれからやっていこうと思います。
また、今後、有田キャンパスの入口に展示スペースを設けますので、是非皆様お気軽に遊びにいらしてください。