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HOME >  新着情報 > 理工学部・大渡啓介教授の研究提案が田中貴金属記念財団の研究助成に採択

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2020.04.13
アウトリーチ

優れた研究を実施するためには、研究費の確保が重要となっており、本学では公的資金だけでなく、民間財団が公募する研究助成金の獲得にも力を入れています。

この度、理工学部化学部門・大渡啓介(おおと・けいすけ)教授の研究提案が(一般財団法人)田中貴金属記念財団の研究助成金(シルバー賞)に採択されました。

本助成金は同財団が「貴金属の新分野を開拓醸成し学術、技術と社会経済の発展に寄与すること」を目的として1999年度に設立した制度で、第21回目となる今回の公募では全国から各賞の合計で198件の応募があり、その中から26件が採択されています。(※同財団HPからの発表)

大渡教授が提案及び採択された研究テーマ名は「マイクロリアクターシステムを用いた貴金属類の逐次回収」で、これは、大きさがマイクロメートル程度のごく小さな化学反応器を複数個用いて、その組み合わせ形態を最適化した回収システムを構築することにより、新しい貴金属回収法としての実用化を目指すものです。

現在、金、銀、ロジウム、パラジウム等の貴金属がハイテク製品にも多く用いられていますが、使用済み製品からの貴金属の回収とリサイクルの推進が社会的課題となっています。しかし、廃棄物中にごく微量しか含まれない元素については、費用体効果の面から回収されることなく廃棄されてしまう現状があり、「微量でも・多元素を・低コストに」という回収技術へのニーズが高まっています。

本研究は、一般的な数百リットル規模の大型反応容器を用いる回収方法とは対照的に、ごく小さな反応容器を多段階に用いるという利点を活用し、これまで廃棄されていた廃材等からも、できるだけ多くの貴金属を低コストで回収できる技術としての実用化を目指すものです。

このような技術が普及することにより、社会全体として貴金属のリサイクル量を増やすことにつながり、また、SDGsに掲げられた「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「12.つくる責任 つかう責任」等の実現にも貢献することが期待されます。

今後の研究の進展にご注目ください。

【関連リンク】

田中貴金属財団様HPからのお知らせ

https://tanaka-foundation.or.jp/grant/index.html

理工学部・大渡啓介教授の教員活動データベース

http://research.dl.saga-u.ac.jp/profile/ja.fe088428f908723d.html

同 研究活動ガイド

http://researcher.admin.saga-u.ac.jp/details/440