- 医学部
アトピー性皮膚炎における痒みに対する創薬推進プロジェクト
公開日 2024.08.27最終更新 2024.08.27
簡単に
言うと?アトピー性皮膚炎の痒みを抑制する治療薬を創ります
言うと?アトピー性皮膚炎の痒みを抑制する治療薬を創ります
自治体 | 佐賀県 |
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実施部局 | 医学部 |
研究代表者 | 出原 賢治 教授 |
事業分類 | TSUNAGIプロジェクト(令和5年度) |

研究概要
かゆみを抑制する低分子化合物CP4715ならびにそれと同様の作用を持つと考えられる化合物について、その効果を比較するとともに、それらの化合物において外用、経口、注射による効果を検証することにより、アトピー性皮膚炎の治療薬として最適な化合物とその剤形を決定することを目的としています。
研究について
アトピー性皮膚炎は、強い痒みを伴う慢性の湿疹疾患であり、若年者を中心に多数の患者が存在しています。佐賀県内では、約36,000人の罹患者がいると推測され、60歳以下人口の15人に1人が罹患していると考えられています。私達は、アトピー性皮膚炎の病変部位で過剰に産生されたペリオスチンというタンパク質が、知覚神経上のインテグリンという物質に結合することにより痒みの刺激を大脳に伝達することを、痒みを自発的に生じるモデルマウスを用いて発見しました。この中で、インテグリン阻害効果を持つ低分子化合物であるCP4715が、ペリオスチンとインテグリンとの結合を阻害して、モデルマウスにおける痒みを改善することを明らかにしました。このことから、ペリオスチンがインテグリンと結合できなくなるようにすれば痒みを改善できると考えた私達は、かゆみを抑制する低分子化合物CP4715ならびにそれと同様の作用を持つと考えられる化合物の効き目、それらの化合物の投与方法による効果を比較することにより、アトピー性皮膚炎の治療薬として最適な化合物とその剤形を決定することを目的にプロジェクトを推進しています。
