- 理工学部
ARITA scenario plus プロジェクト-生活形態の復元的検証を踏まえた有田内山地区の空き地・空き家の利活用のためのデザイン提案-
言うと?有田内山地区の伝統的な町並みに寄り添うデザイン提案
自治体 | 有田町 |
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実施部局 | 理工学部 |
研究代表者 | 宮原 真美子 准教授 |
事業分類 | 地域みらい創生プロジェクト(令和4年度) 地域みらい創生プロジェクト(令和5年度) |
研究概要
空き家・空き地化、人口減少など町の空洞化が進行する有田内山地区で、学術的にフィールド調査を行い、有田特有の生活形態が生み出す伝統的町並みを維持しながらも現代的な活用に即したまちの新しい拠点と地域にひらくデザインを提案します。
研究について
有田内山地区は、有田焼の輸出産業から始まり行商による応接間を使った販売方式、陶器市での店頭販売、道路拡幅による外壁面の改修・曳家など時代ごとに空間を変容しながら形成された歴史的な町並みと、現在も存続する伝統的産業と生活形態が生み出す景観に特長があります。1997年に重要伝統的建築物群保存地区に選定され、町並みが保存される一方で、1990年代には、有田焼卸団地など販売拠点の整備、ポーセリングパーク等のテーマパーク的大規模観光施設の整備、国道沿いのロードサイドへの大型店舗の出店、駅周辺の住宅地開発が進められ、表通りの店舗の休業・閉業や若い世帯の地区外への転出が続き、空き家・空き地化、人口減少など町の空洞化が進行しています。このように人口減少と高齢化が同時進行する縮小期の今、空洞化した土地や建物にこれまでと同じ発想の施設を創れば良いというわけにはいかなくなりました。特に、地域解決が期待される土地においては、なぜ、そしてどの規模の施設を考えるべきかといった議論から始まり、何をどのようにつくるか企画力・設計要件の整理は、従来の概念を超えて叡智を集結させる対応が迫られています。
佐賀大学理工学部建築環境デザインコースでは、2020年度からARITA scenario plusというプロジェクトを立ち上げ、空洞化した公民の敷地を対象に、リサーチの上具体的な利活用要件整理、要件に基づいた建築提案に取り組んできました。プロジェクト名にある scenario(シナリオ)は、ラテン語のscenaから派生した言葉で、演劇やオペラの場面をつないだ筋書きの意味を持ちます。有田内山地区の伝統的な町並みに内在される400年という時間の、その先の場面を考えたいという想いを託しています。これまで、内山地区の中心である札の辻に位置する佐賀銀行及び商工会議所跡地の活用提案として『泊まれる図書館/学べる観光拠点』(2020年度)と、裏通りの空き家・空き地活用提案として『地域の鍼治療』(2021年度)、『STAND for ARITA -Mobile, Harmony with the traditional Scenery, and Operation』(2022年度)という3つの提案を通して、まちの新しい拠点と地域にひらくデザイン模索したいと思っています。
【2020年度】
【2021年度】
【2022年度】