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Project

カモ類の食性調査および行動解析による農水産物被害の実態解明

公開日 2023.05.24最終更新 2023.07.10
簡単に
言うと?
佐賀のおいしい海苔や麦を守るため、鳥たちの行動をウォッチ
自治体鹿島市
実施部局農学部
研究代表者徳田 誠 教授
事業分類地域みらい創生プロジェクト(令和4年度)

研究概要

鹿島市など有明海沿岸と平野部に飛来するカモ類の食性調査やタイムラプスカメラによる行動解析で、農水産物に被害を与える種類の特定と実態を解明。

研究について

有明海沿岸は日本最大のノリ養殖地で、平野部はイネやムギの栽培が盛んな日本有数の穀倉地帯です。同時に、干潟は水鳥の中継地・越冬地で、佐賀市と鹿島市の干潟は湿地を保全するラムサール条約にも登録されています。
ノリ養殖には網に付いたノリが数日で短くなり消えてしまうという「ノリの短縮化」問題があります。それが近年、カモ類による食害が原因だと分かりました。しかしどのカモがいつどの程度ノリを食害しているのかは未解明です。 駆除されたカモ類の胃の内容物を調べたところ、一部のカモ類からノリやムギを高頻度で検出ししました。また、ノリ網の周辺で捕獲されたカモの胃の内容物からムギが確認された例もあり、ノリとムギの被害が連動していることが示唆されました。本研究では、カモ類の食性を解析し、長期の観察記録が取れるタイムラプスカメラを利用してカモ類の移動実態の解明を進めています。鳥害による農水産物被害の根本的な解決を目指し、潮の干満とノリ被害、日照時間帯とムギ被害の関係、カモ類の移動実態や滞在場所による影響まで調べ、対策が必要な場所・時間など絞り込んでいきます。

 

写真(一部)提供:佐賀県観光連盟