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Project

Total small vessel disease score(※)に対する遺伝子多型の影響 : The Kashima Scan Study

公開日 2023.05.24最終更新 2023.07.10
簡単に
言うと?
脳ドックの結果から将来脳梗塞・心筋梗塞など病気になる可能性を調査
自治体鹿島市
実施部局医学部
研究代表者鈴山 耕平 助教
事業分類地域みらい創生プロジェクト(令和4年度)

研究概要

脳ドック受診者の飲酒習慣やアルコール代謝酵素の遺伝的要因などから頭部MRIや疾病との関係を分析し、さらに他地域との比較を行っています。

研究について

鹿島市及び近郊市民と織田病院の協力により脳ドックを受診した健常成人2,000人を対象にコホート研究(※)「The Kashima Scan Study」を行なっています。この研究で、脳ドックでは老化とみなされていたMRIの所見が、将来の疾患(脳梗塞・心筋梗塞など)を予測できるデータであることを発見しました。さらに吉野ヶ里地区住民を対象とした研究を行っている肥前精神医療センターとの連携も始まり、両地区での比較分析が可能となりました。社会的背景や遺伝的素因、飲酒など生活習慣の違いから脳の画像所見や認知機能、疾病にどのような違いがあるかを解析し、頭部MRIやその後の疾病、認知機能との関係を分析して鹿島市の健康寿命を伸ばす戦略へと繋げます。また学会発表や学術論文でも、鹿島の取り組みを発信していきます。

※Total small vessel disease score とは、脳小血管病スコアのことで、MRI画像からラクナ病変、微小脳出血、血管周囲腔拡大および白質病変の4種の所見を数値化したもの。脳小血管病とは、径1mm以下の髄軟膜動脈から毛細血管のレベルまでの血管障害にて生じる病変である。

※コホート研究とは、研究対象とする病気に“かかっていない人”を集め、長期にわたり観察・追跡することで、ある要因の有無が、病気の発生または予防に関係しているかを調査・研究を行う。

 

写真(一部)提供:佐賀県観光連盟