ブックタイトル佐大_産学・地域連携機構vol_6

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概要

佐大_産学・地域連携機構vol_6

満足度を考慮した情報システムの導入支援に関する活動 ICT(情報通信技術)活用はどの分野においても「業務における情報システムの利用」とほぼ同じ文脈で用いられます。 業務に情報システムを導入する場合、既存のシステムだけで必要な機能が満たされることは少なく、業務に合わせて何らかのシステム開発が伴い、導入経費が必要となります。開発経費が高額になることも少なくありません。 しかしながら、高額の経費負担をして導入したとしてもそのシステムの満足度が高くないシステムもあります。必要な機能が十分に満たされていないなど、費用対効果の観点から不満を感じる場合が多いと思われます。 仕様書は発注者がシステムに「求めるもの」を受注者に伝える大切な手段です。業務の流れをいかに正しく伝えられるかがシステム開発の第一歩といえます。 入札後受注業者が決まると開発が始まります。仕様書に基づき、詳細設計を行い具体的なソフトウェアとして情報システムが作られていきます。その開発過程で発注者と受注者の間で思い描いていることのずれを開発会議でどれだけ小さくできるか?も大切な観点です。 そこで、今期の事業において2つの情報システムの開発に仕様書策定から開発、運用開始まで支援を行ったので概要を報告します。肝炎医療費助成システム 佐賀県は肝がんによる死亡率が全国最上位の状態が続いています。B型ウイルス性肝炎及びC型ウイルス性肝炎は、抗ウイルス治療(インターフェロン治療、インターフェロンフリー治療及び核酸アナログ製剤治療)によって、その後の肝硬変、肝がん等の重篤な病態を防ぐことが可能な疾患ですが、この治療は月額の医療費が高額となること、又は長期間に及ぶ治療によって累積の医療費が高額となるため、躊躇している患者さんも少なくありませんでした。そこで、早期治療の促進のため、この抗ウイルス治療に係る医療費を助成し、患者の医療機関へのアクセスを改善することにより、将来の肝硬変、肝がんの予防及び肝炎ウイルスの感染防止、ひいては国民の健康の保持、増進を図ることを目的として医療費の助成が行われています。 本システムは助成にかかる事務を総合的に処理するシステムですが、既存システムの契約期間が満了したこと、機能不足を改善するため佐賀県健康増進課とともに新規開発を行うこととなりました。 従来のシステムは、申請にかかる事務のうち、受付(入力、修正)処理、条件を指定した検索結果の一覧表(表示とCSV出力)作成機能、受給者証印刷機能、助成実績管理機能がシステムの機能として実装されていました。 肝炎医療費助成制度は、患者等からの申請を受け、専門家による審査会を経て認められた場合に受給者証が交付され、助成が受けられるという一連の流れがあります。また助成額も上限が決─ 39 ─2.活動状況 (4)佐賀県における産学官包括連携協定(通称:6者協定)事業