ブックタイトル佐大_産学・地域連携機構vol_6

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概要

佐大_産学・地域連携機構vol_6

Ⅱ.地域振興及び産業振興事業名:⑦有明海のワイズユースに関する教育研究事業責任者:低平地沿岸海域研究センター 速水祐一【事業の概要】 有明海は、地域住民に豊かな水産物や特異な生態系といった海の恵みを与える一方で、解決が求められる多くの課題を抱えている.本事業は、地域から解決を求められている有明海に関連した諸課題を地域諸機関が共同で研究するとともに、有明海の魅力を次世代に伝承するための幅広い教育を実施するものである.※この事業で行った活動は有明海地域共同観測プロジェクト(COMPAS)のFacebookページで紹介しているほか、イベントを連携した団体のページでも紹介されている。 COMPAS Facebook Page: https://www。facebook。com/AriakeSeaP。ilmr/【第Ⅲ期(平成27年度~ 29年度)の取組】 本事業は「有明海の環境・生態系の把握と諸問題への対応」に関する研究と、地域連携で有明海の魅力を発信する様々な活動を実施した。 研究部門では、NPO法人有明海再生機構・佐賀県と連携し、有明海再生方策検討事業を行った。具体的には、有明海湾奥部における生物生態系調査、諌早湾潮受堤防排水門の中長期開門効果の検証に向けた諸情報の蓄積、再生にむけた取り組みとしてサルボウを利用した環境改善に関する研究を実施している.第Ⅱ期では、水質・底質・底生動物のモニタリング調査の継続実施し、潮受堤排水門開門が実施された場合に活用できる環境情報の蓄積を行った。その結果、特に有明海奥部の底生生態系は依然として疲弊した状態にあると判断された。また、サルボウの動態把握のための幼生供給と着底との関連について調査し、幼生供給は年によって大きく変動し、出現タイミングも大きく異なうことが明らかとなった。また、その要因は未だ明らかにできていないが、一因として貧酸素水塊への暴露の程度の差が生じ、これが着底の成否に影響することが示唆された. 地域連携活動の部門では、有明海地域、特に鹿島市の団体と連携して、一般市民(子供・大人)に向けた有明海の環境教育・啓発活動を行った。第Ⅱ期では、大人向けの市民の科学講座~有明海学、小学生向けの有明海科学講座、夏休み子供相談室などを実施して教育活動を行った。また、地域連携の啓発活動として、「Enjoy!有明海」(年によって名称変更)などを実施し、有明海の食を通じた「魅力の発信」を行うとともに、各主体間が持つ情報の共通理解に努めた。なおこのイベントにおいて、今期ではサガテレビなどマスメディアとの連携も深めた。本事業としては、「前海を考えるシンポジウム」を毎年年度末に開催し、有明海に持つ課題や取り組み提案について毎年別のテーマをあげてディスカッションした。そのほか、ガタリンピックなど地域で開催されているイベントに参画し、地域団体・地元高校との連携をもとに「サイエンスコーナー」などを実施した。─ 25 ─2.活動状況 (4)佐賀県における産学官包括連携協定(通称:6者協定)事業