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知財戦略・技術移転について

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バラフ

最初の研究は、土壌改良が目的

乾燥した土地や干拓した土地などで、土壌の表面に塩類が集積し、植物が収穫できなくなる塩類集積が地球上のいたるところで起こっています。この塩類集積が、乾燥地域のさらなる砂漠化や、農業地域の収穫量減少などの問題を引き起こします。 1985年、野瀬教授(元佐賀大学農学部)が現地調査において、アイスプラントが土壌の多量の塩分を吸収する可能性を把握し、1999年に塩類土壌の修復技術への利用を目的として研究が開始されました。この研究によって、栽培方法の確立等が行われていきましたが、2001年に野菜としても利用できることが判明し、アイスプラントの野菜化研究も開始されました。 その後、佐賀の特産野菜化、地域農業の活性化のため、ベンチャー農業生産法人の立ち上げが構想され、2006年に『バラフ(佐賀大学登録商標)』という名で生産販売試験を開始。翌年の2007年に佐賀大学発ベンチャー企業として「株式会社農研堂」を設立して、佐賀大学農学部や契約農家の方々と連携しながら品質安定を図り、現在は、全国のスーパーやレストランでも扱われています。 『バラフ』は、葉や茎の表面に宝石のようにキラキラと光る水滴のような細胞がついているのが大きな特徴で、その外観から、原産である南アフリカの言語スワヒリ語で、「水晶」や「氷」を意味する『barafu』から名付けられました。
乾燥した土地や干拓した土地の土壌改良 佐賀大学ブランド野菜「バラフ」

ほんのり塩味のする野菜

乾燥した土地や干拓した土地などで、土壌の表面に塩類が集積し、植物が収穫できなくなる塩類集積が地球上のいたるところで起こっています。この塩類集積が、乾燥地域のさらなる砂漠化や、農業地域の収穫量減少などの問題を引き起こします。 アイスプラントは、体内に入ってきた塩類等を、塩嚢と呼ばれる発達した特殊な表皮細胞に隔離します。この塩嚢がバラフに美しい見た目を作り、また食べた時のほんのりとした塩味や、プチプチとした食感を生み出します。バラフは、サラダとしてそのまま食べてもおいしいですが、その特有の見た目や食感で、レストランで使われることや、スイーツとして使われることがあります。また、含まれている成分にも特徴があり、豊富なミネラル分のほかに、血糖値を下げる働きのあるピニトールや、脂肪燃焼効果のあるミオイノシトールを含んでいます。
ほんのり塩味のする野菜